キーワードは「リアル」

最近読んだいくつかのサイトで「リアル」という言葉がキーワードになっていました。私も3つ前のエントリで少し書いたのですが、もう少しだけ追記しておきます。

まずは日経BPのガ島通信さんのエントリ『2チャンネルの「終わり」とブログの今後』。トラックバックエントリでは、刺激的なタイトルのせいか多くの反論が寄せられているようです。確かに2チャンネルがマスメディアになり得なかったというのは、多少強引な論旨展開のように思いますが、後段の「リアル」に関する考察まで読み進めると言わんとすることに頷けます。

ブログがリアルに根ざしたコミュニティツールへ変貌を遂げようとしていることへの、リアルとサイバーを切り分けたいネットワーカーたちの反発、不安の表れではないかと思えるのです

反発、不安というと、そこに位置するネットワーカーたちはそれこそ反発するのかもしれませんが、確かに「戸惑い」みたいなものがあるのかもしれません。

最近ネット上で「リアル」が語られることが増えてきたバックボーンには、ソーシャルツールの発展もさることながら、ネット利用者数の急速な増加があるのではないでしょうか。インプレスが発表した日本のインターネット人口は7007万2千人、日本の人口の約55%にあたります。まだ利用者が少なかった頃、ネット世界は限られたユーザーによる、顔の見える穏やかな世界が広がっていたのかもしれません。それがユーザー増にともない、自分が誰と空間を共にしているのかさえ分からないようになった。しかし、ユーザー増はブログやSNSといったツールの登場と作用しあって、仮想空間を「リアル」に変えてしまおうとしているのです。もはやネットは、リアル社会に直結した道具であり、限られた人が存在する別空間ではなくなりつつあるのでしょう。

少し前、JapanInternet.comで「アイスタイル 吉松・山田氏:インターネットとリアルをどうつなげていくかが課題」という記事がありました。 ネットを介したバイラルマーケティングで成功している@COSME主宰の山田氏は、今後のネットビジネスの可能性について「今はインターネットだからってことではなくて、そことリアルをどうつなげていくかが課題だと思っています」と語られています。これから消費者に占めるネットユーザーの割合が高くなればなるほど、バーチャルとリアルは限りなく接近し続けていくのかもしれません。

山田氏が言うとおり、今後のビジネス展開にとって、バーチャルとリアルの融合する境界上で、何を発想し、何をセットアップするかが勝負の分かれ目なのでしょう。IT業界では至極当然のことなのかもしれませんが、私の属する業界には、まだまだそんな境界線上に位置する事実から目をそらす方も多いように感じます。


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