君を幸せにする会社

先日、とある会合で「君を幸せにする会社」の著者、天野敦之さんとご一緒する機会をいただきました。その席上では、ゆっくりお話することができなかったのですが、帰り際に声をかけていただき、著書までいただきました。某氏のブログに書評が書かれていたこともあり、気になる一冊ではあったのですが、まさかご本人から直にいただけるとは・・・。感謝です。

実は、そのブログでの書評を目にしたとき、そのタイトルが記憶に刻み込まれていました。

2006年1月、年頭にあたって、このブログで「人を幸せにするメディア」というエントリを書きました。既存メディアは、今こそ原点回帰し、そのスタイルではなく役割を見直すべし。そして、その役割を果たすことが、関わる全ての人たちを幸せにしているかを常に振り帰ろう・・・、という思いを込めたことを、今でもよく覚えています。手前味噌ですがそのエントリから少し・・・

じつは、「人を幸せにする・・・」というのは、昨年末にお会いした私どもの業界の先輩がおっしゃった言葉です。で、色々とお話をしていて、ふと考えた(反省した)のが、自分のやっていること(仕事)が「人を幸せにしているか」ということ。きれいごとかもしれませんが、その方とお話をして、自分の考えが行き着いたのが「人を幸せにするメディア」というキーワードでした。

この本の主人公「クマ太郎」は、大手企業に就職した後、社内公募でビジネススクール入学、ビジネスのイロハを習得したエリートです。ただ、父親が他界、若くしてリゾートホテルを継いだのですが、どうも経営が上手くいかないのです。ビジネススクールで学んだ手法をフルに活用しているのに、という悩みから全てが始まります。

これ以上書いてしまうとネタバレになってしまうので、あえて書きませんが。
クマ太郎が、さまざまな葛藤を経ながら行き着く一つの答えが、働くことの本当の意味であり、この本のタイトルにもある「幸せ」というキーワードなのです。その葛藤の描写に、すごくリアリティがあります。つい、自分自身と重ねてしまったり・・・。

天野さんにお会いしたは、11月26日の夕方。翌日の移動時間に読み始め、自宅に帰って就寝前には読破しました。物語風なのでサラサラと読めてしまうのですが、読み終えたあと、いろいろと考えさせられます。そして、その余韻が日に日に自身の中で大きくなっていく感じがします。はじめは、ビジネス書?自己啓発?と思いつつ読み進めたのですが、今思うのは、むしろ哲学書に近いかも知れないということです。

上手くいえませんが、尊敬する手塚治虫氏の漫画を読んだあとの感覚に似ています。

天野さん、ご献本ありがとうございました。


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