ライブドアVSフジテレビ「外野の声」その2

前々回のエントリーでも触れましたが、某新聞の記事(共同配信)にうまく外野の声をまとめたものがありましたので、自分の頭の中を整理する意味でも記録に残しておこうと思います。まずはキー局トップの声から…(※「」内のコメントは新聞記事から引用しています)

テレビ東京 菅谷社長
「羽交い締めにして提携を迫る(ライブドア)のやり方は良くない。エネルギーの方向性が間違っている。事業提携したいなら話し合ってすべきだ」
テレビ朝日 広瀬社長
「マードック−孫連合も役員派遣を要求したが、当時のテレ朝幹部は、マードック連合を信用するに足らないと判断した」「小さな局の買い占めは難しくないとの風潮は排除すべきだ」
日テレ 氏家会長
「ニッポン放送がダメージを受けなきゃいいなあ」「ノーネクタイで押し通すなど心情的には理解できかねる」「言うべきところはつかんでいる」「ああいうすっとんきょうなのがかき回すと、アンシャンレジーム(旧体制)を壊せるかもしれない」「ハードではなく、ソフトが重要だということが分かってない」
TBS 井上社長
「企業が財物として取引されることになる転換点が、放送業界でも起きた。日本経団連の奥田碩会長の言うように、(買収のリスクに)備えておかなければならない」(放送とネットは)「重なる領域はあるが、ネットがすべて放送を包含するとは考えられない」

個人的には、日本テレビの氏家氏の発言が意外でしたが、「余裕の発言?同グループではもう次の手準備済みなの、ドンも発言が無いみたいだし?」とか、色々な想像をしてはフムフムと頷いてしまいました。ところで、プロ野球参入問題のときにも、こんな話してましたっけ?似たような話だと思うんだけど…。それと、できれば新聞界の重鎮たちのコメントも聞いてみたいものです。放送業界だけの問題ではないと思いますし。

少し長くなってしまいますが、外野ではなく、フジテレビ、ニッポン放送の内側からの声も興味深かったですね。

フジテレビ労組執行部の見解
「従業員のみなさん、ライブドアの支配下で働けますか。組合執行部はライブドアの経営参入に反対する。」(中略)「フジテレビの番組・放送は、全従業員の『心』なくしては作り出せない。『心』を無視して強引に経営参入しようとしている者には断固として『NO!』を出していきたい。」
ニッポン放送社員一同
「ニッポン放送には開局以来、スポンサー・出演者・株主等多くの理解者に支えられながら、リスナーと共に50年という歳月をかけて営々と築き上げてきた企業価値があります。特に、私たちは先輩たちから伝承されてきた放送人としての精神を大切にしております。それは、「リスナーのために」です。」「一方、ライブドア堀江貴文社長の発言には「リスナーに対する愛情」が全く感じられません。ラジオというメディアの経営に参画するというよりは、その資本構造を利用したいだけ、としか私たちの目には映りません。」

この二つのコメントでは『心』『愛情』という言葉が妙に心に残りました。私も日頃の業務の中でよく似たような発言を聞きます。「読者とともに…」とか「読者ニーズが…」とか。でもこの「気持ち」を評価するのは自分達じゃないんです。あくまで生活者、視聴者、読者なのです。「その観点が薄れてるんじゃないか」というのが、よくネット上で繰り広げらていれる�マスゴミ批判�の根本にあるのではないでしょうか。私も業務の中で「これをやれば読者が喜ぶはずだ…」みたいな押売り的なプロダクトアウトが多すぎることに悩んでいるので、ついついその『精神論』に過敏に反応してしまいました。

新聞デザイン論に入る前に」、というエントリーでも似たようなことを書きました。「つづく…で終わった以上は、次のエントリーを、と考えていますので、少しだけメディアのマーケットイン戦略とプロダクトアウト戦略について考えてみようと思います。その辺りをおさえておかないと、意義ある現実的な「新聞デザイン論」は語れないと思うので…。


12 Comments

  • 堀江一也

    2005 年 3 月 5 日

    テレビ東京の菅谷社長さん。事業提携したいなら話し合ってするべきだ、っておっしゃってますが私たち国民の見るところでは、一方的に話し合いをこばんでいるのはフジテレビ側だと思いますがどうなんでしょう?堀江社長は最初から話し合いを望んでおられましたよ。いったいどんな観点からそのようなコメントがでてくるんでしょう?
    はっきりいって、国民のほとんどはどちらが言ってることがおかしいのか、ちゃんとわかってますよ。

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  • テサラック@管理人

    2005 年 3 月 6 日

    堀江一也さん、コメントありがとうございます。
    ビジネスとして見れば、どちらに賛同する人が多いかは明らかですね。JCの調査データはそれを物語っていると思います。でも「精神論」に寄りかかってモノを言うことが、事を複雑にしているような気がします。日本経済は「精神論」を大切な柱として成長してきた側面もあるわけですから、今更なかなか切り離して考えれないのでしょうね。既存メディアは今、そんな悠長に構えてられないと思うのですが。

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