「ローカル」をキーワードに、インターネットの特性を上手く活用したビジネスモデルには様々なパターンがあります。2年半ほど前に、GoogleローカルやYahoo!ローカルなどが、相次いで充実に向けての動きが見えてくる中で、インターネットの列強が地域を循環するマネーの取り込みを意識しはじめたのだ、とこのブログでも書きました。
時が過ぎる中で、「ローカル」をコアコンピタンスに据えるインターネットビジネスは、かなりの数がリリースされました。しかし、正直ローカルに根ざし生活している私にとっては、どれもピンと来ないサービスばかりです。ローカルのコアコンピタンスとインターネットのポテンシャルがシナジーを生んでいるとは言いがたいのではないでしょうか。「ローカル」の捕らえ方が少し違っているから起こってくるズレなのかもしれません。
ところで、都市圏のデパートでは、よく地方の物産展が開かれています。噴水効果やシャワー効果を狙い開催されるというこの手のイベントのメーンコンテンツは、日常では縁遠い「ローカル」の魅力です。都市圏にいながら、北海道や、九州、沖縄に実際に触れられる機会なわけです(最近はECサイトなどのオンラインでは簡単に接触できますが・・・)。
ただ、この物産展は、都市圏の人にとっては「ローカル」かもしれませんが、本当にその地域にすむ人々にとってのリアルなローカルではありません。あくまで、演出された非日常向けのローカルであって、そこには生活や日常がないのです。
インターネットビジネス×ローカルを考えるとき、この視点は大きなポイントになると思います。中央にローカルを集め、スケールメリットを活かしながらビジネスを組み立てる、いわゆる「物産展型のローカルビジネス」も一つの手段でしょう。しかし、これはインターネットが関わらずとも成立したビジネスモデルで、新しいツールを融合させシナジーを生むモデルにしては少し物足りません。
もっと、ローカルを起点にしたフラットなモデルこそが、今後地域の人々に本当に望まれるのではないかと考えています。