メディア王ルパート・マードック氏の発言

少し前の話題になりますが、NIKKEI NETに『マードック氏、「ネットの影響軽視しすぎていた」』との記事が掲載されました。米国新聞編集者協会の会合でそう語ったといいます。

ルパート・マードック氏は、出版、新聞、テレビなど多くのメディアを傘下に置く企業「ニューズ・コーポレーション」の会長。メディア王と呼ばれる同氏のインタビュー記事は、非常に興味深いものでした。

ニューズ・コーポレーションは、ネットバブル崩壊の時にかなりの損失を被ったということで、そこからネットと距離をおいてきた経緯があるようです。ただ、「デジタル革命が通り過ぎてくれればいいと密かに願った」ものの、今になってネットが既存メディアに与える影響の大きさに狼狽し「軽視しすぎていた」との後悔の弁になったのでしょう。まさに、ここ最近の既存メディアを象徴しているように思えます。

しかし、記事には「だからどうするべき」というポジティブな提言も多く含まれていました。その提言とは

新聞各紙が、従来とまったく異なる方法でニュースを読む若い世代に対し、ニュースを提供する手段を新たに開拓する必要がある

ほとんどの新聞がウェブサイトを開設しているが、単に紙媒体のコンテンツを「焼き直した味気ないもの」

ヤフーやグーグル等のインターネットポータルや検索エンジンのように、ユーザーが最初に訪れるサイトになる必要がある

ブログをニュース報道にどう組み込むかを模索する

文字情報を動画とリンクさせることが重要だ

「いまさら…」との感もありますが、どの提言も新聞がネットに殺されないための重要なポイントではないかと思います。