ブリタニカ、Nature誌に反論–Wikipediaの正確性に関する調査を非難(CNETJapan)
百科事典の老舗「Encyclopedia Britannica」が、Nature誌12月号で紹介された、ブリタニカとウィキペディアの正確さを比較した記事に対する反論を公表したようです。
リポートでは、ウィキペディアの(意外な)正確性を表現するために、ブリタニカとウィキペディアの間違いの数を引き合いに出したといいます。結果は、Nature誌によると、ブリタニカ123ヶ所、ウィキペディア162ケ所だったのだとか。ブリタニカ側は、その根拠とした材料が違うのではなどと訴え、間違いの指摘に間違いがあることに、強く抗議しているようです。
ユーザの立場で見ればどうでしょう。私の場合、例え有償であっても、必要だと判断すればブリタニカを購入すると思います。それは、ウィキペディアの方が間違いが多いから、とかいう比較論ではなく、ブリタニカが必要だから、その価値にお金を払うのです。現にイミダスや現代用語の…などの類は、ネット上に似たような情報はいくらでもあるにもかかわらず、パッケージの利便性と一定の信頼性に対し、お金を払っています。
ただ、CNETに「Britannica百科事典はインターネットによって絶滅の危機に追い込まれた。」と書かれているように、ウィキペディアに限らず、インターネットの登場で、百科事典ブリタニカの情報価値が、相対的に落ちているのも否めない事実なのでしょう。
Nature誌の間違いを指摘すること、ブランドイメージに対するマイナス評価を付加されたことに憤るのは、よく理解できます。しかし、それはブリタニカVSウィキペディアといった対立軸に置き換えられるべきものではないように思います。ブリタニカは、自身の価値を高め、たとえ有料でもユーザに求められる百科事典を追求していくべきでしょう。仮に紙ベースのビジネスモデルが成り立たないのであれば、別のツールを使ってのサービスを生み出し、極めていくべきです。
そして最終的には、ユーザが、ブリタニカを選ぶか、ウィキペディアを選ぶか、両者を必要に応じて使い分けるのかといった価値判断を下すことになるのではないでしょうか。
Habby
2006 年 3 月 29 日テキスト情報の運命かもしれませんが、徐々に価値は希薄化していると思います。ネットの世界でブリタニカの分厚さは分かりませんし、他の情報と同じフォント同じHTMLでの表記であれば差別化できていませんよね。これは課題なのかもしれません。
百科事典で出すときはすごい責任感で出しているのだと思います。間違いはオンラインとは異なりあとから直せない、購入してくれた客への連絡も不可能に近いのですから。
使う側が気をつけなくてはならないのはネット上の情報は自己責任で閲覧する、「うそをウソと見抜ける能力」が必要とされるということではないかと。
ただこういった「ユルイ」ネットの世界が認められてきて「情報が間違っていた、今直しました」というだけですむのかどうか(事象によりますが)。少し危ういなと思いました。
saygo@管理人
2006 年 3 月 29 日>Habbyさん
コメントありがとうございます。
確かに、ネット上の情報には間違いも多く含まれますので、ユーザのリテラシー能力はますます要求されるでしょう。
であればこそ、百科事典や紙媒体は、徹底的に質を高めると同時に、ユーザの視点に立ったサービス展開で差別化を図っていくべきなのだと思います。