随分前の話のような気さえしますが、google.co.jpのページランクが、Google自らのペナルティにより下げられるという出来事がありました。これに対し、多くのブロガーの皆さんが、Googleのスタンスやペイパーポストの是非、クチコミマーケティングに関する論議を繰り広げられました。
既に、ブログやメーリングリストを通じ、議論が尽くされた感もあります。また、WOMマーケティング協議会設立準備会の世話人を務められている徳力さんが、数回のブログエントリを通じ、非常にわかりやすく整理していらしゃいます。その上に新しい見解を示すような大層なことはできないのですが、私なりの記録として少しメモをしておきたいと思います。
まず、今回の一件では、Googleさんが自らに制裁を科したというショックと、サイバーバズさんの対応のまずさがあって、話が少し複雑になったような気がします。ペイパーポストとクチコミの話が一緒くたに論議される部分もあったのでは?と感じました。逆に、その辺りを差し引いて考えると、ポイントが絞れるのではないでしょうか。
一つ目のポイントは、徳力さんや他の皆さんもおっしゃっている部分で、情報を発信する側に、受信者であるコンシューマを欺こうという意思があるかという部分だと思います。ステルスの要素が強いと、某ファーストフードのプロモーションのように、バレた時の気まずさ、嫌な感じが残ってしまいます。
二つ目のポイントは、「クチコミ」の担い手、インフルエンサーがアマチュアであることだと思います。プロであればいいというわけではないのですが、何らかの対価を得て特定の商品やサービスのプロモーションをするにあたって、〝PR〟と、受け手が分かるように表記するといった約束事がある、さらに発信者側にもこの明確な意識がある、というところが大事なのではないでしょうか。情報を発信する側の説明責任みたいなものかもしれません(既存メディアが、かなり微妙なところまでハードルを下げようとしていることも否めないのですが・・・)。
ただ、一つこの辺りのことを考えていて、自分の中で消化不良を起こしていることがあります。例えば、ステルスの性格が強いプロモーションに触れたコンシューマが、その商品、サービスにすごく満足した場合はどうなのだろう、というところです。さらに、ここを起点にクチコミが広がる可能性は十分にありますが、その場合は正当なクチコミということになるのでしょうか。
であれば、クチコミをマーケティングの一手法と捉えるよりも、ユーザー体験に基づいた現象と捉えたほうが、しっくり来るような気もします。クチコミなんて、起こるときは自然発生的に起こるものだから、これを意図的にに操作しないようにしましょうね、というところが、結局のところ落としどころなのでしょうか。
う~んダメだ。堂々巡りだなぁ。