アンケート調査の嘘

仕事上必要なので、文系の頭で統計解析の勉強をしている。教えを請う先達もいない現状なので「アンケート調査と統計解析がわかる本」(日本能率協会マネジメントセンター)を教科書に使っている。ど素人の私が理解できる(かなり苦労しながらだけど)内容なので、初心者にはもってこいのテキストだと思う。

その中に「アンケート調査の嘘」と題したちょっとしたコラムが載っていた。

公表されたアンケート結果を見る際は、調査概要の記載がないものは信用してはいけません。アンケート調査を誇大広告などに利用する方法は、「90%の人が�効果がある�と回答されました。」と言ったように、部分的な都合のよい数字だけで訴求することです。調査主体の有名、無名に係わらず、調査設計が明確に記載されていないようなアンケート調査は疑わしいと思いましょう。

確かにこのコラムの言うとおりだ。数字(調査データ)は、切り口によって色々な顔を見せるし、言葉に置き換えることで、極端に言えば世論をも動かしうる。

一月ほど前、Japan Internet.comに『実は期待されている?約4割が「社長 Blog を読みたい」』 という記事が載っていた。もし、これを『実は期待されていない?6割以上が社長Blogを読みたいとは思っていない」』との見出しにするとどうだろう。記事内容は同じでも、随分ニュアンスが変わってくる(見出しの中の�?�は結構意味が込められているとは思うけど…)。ちなみに調査は、インターネットコムとインフォプラントが行ったもので、本文中にサンプル内訳などの説明もあり、信頼できる調査内容だったと思うが。

それにしても、調査データを解釈しテキスト化する作業は、本当に難しい。リサーチのプロの前での報告であれば、「この差は本当に有意か…」とか「検定は…」とかの話になるのだろうが、ほとんどの人はそういった知識はないわけだ。やはり最終的にテキスト化されたものを信じるしかない。と考えると、分析やテキスト化の難しさと、それを発表する責任の重さを痛感させられる。