Yahoo!Daysに思う

Yahoo!のSNSサービス「Yahoo!Days」が招待制を廃止するそうです。
はて、Yahoo!Daysって招待制でしたっけ?というのが正直な感想なのですが・・・。

このSNSサービスがスタートしたとき、自称SNS研究家としては随分と期待をしました。既存Yahoo!サービスとのコンテンツ連動は考えたらキリがないほどアイディアが膨らむし、友人のタグ付け、オフィシャルコミュニティのデザインの自由度の高さなどは、私が当時思い描いていた理想のSNSとイメージが近かったからです。リリース直後の2006年3月2日には登録をすませ、数人に招待メールを送ったことをよく覚えています。

ところで、正式リリース(Daysになったのは2006年7月)から約1年半、私が期待してやまなかったSNSは、スパムメッセージが来たときにだけ、思い出したように開くSNSになってしまいました。ローンチ直後に立ち上がったオフィシャルコミュニティも、スパム書き込みに占領されている始末で、なんともやるせない気分になります。

この3年、SNSヲチを続けていて、色々なSNSに出会いました。EC連動型、位置情報連動型など狙いは様々でしたが、盛り上がらないまま放置されたり、閉鎖したりするものも目の当たりにしました。そんな中で、私なりに感じているのは、SNS運営者の顔が全く見えないサービスは盛り上がらないのでは?ということです。運営者とユーザーの絶妙な距離感というかそういったものが盛衰を分けるような気がしています。今では巨大になってしまったミクシィやGREEも、当初は創業者の「個」が見えました。ただ「個」や運営者の思惑ばかりが表に出すぎていると、逆に自由を制限されるような錯覚に捕らわれることもあります。

それにしても、Yahoo!Daysの招待制を廃止しYahoo!IDを参加条件にすることで何が変わるのでしょうか。サイトの機能自体もリニューアルし、プロフィールを他のYahoo!サービスと共通化したり、日記をネット全体に公開する機能を付加したりするようですが、他サイトとの差別化はどのあたりで図ってくるのでしょうか。

私は経験上、SNSの成功は参加者の「数」ではなく、「その中で形成される関係の心地よさ」みたいなもので量るべきなのではないかと考えています。ただ難しいのは心地よさの尺度は各々違うということなのです。それをおぼろげに感じながらコミュニケーションをデザインできることこそコミュニティサイト運営の秘訣ではないかと思います(ターゲットセグメントによって方法論は随分変わりますが・・・)。

Yahoo!Daysでのはじめの頃の日記に「このSNSをマネジメントしてみたい~いくらでもアイディアが広がりそう…」と書いてました。でも今はそうでもないかな(笑)