オープンとクローズのあいだ

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2014年の初エントリでは、オープンデータの活用を考えていきたい、と宣言しました。2月22日には、インターナショナルオープンデータデイに合わせ、手探りでアイディアソンを行い、Code for Sagaの立ち上げを宣言しました。それから1年、ライフワークとして掲げる地域とメディアというテーマに、オープンデータが大きく割り込んできました。同時に、改めて“オープン”であることの意義や、そこから生まれる(生まれるべき)可能性について考えるようになりました。

一方で、クローズド戦略に転じた業界もあります。
私が長年関わってきた新聞業界は、ウェブサイトで公開していたコンテンツの一部に閲覧制限を設け、新聞の定期購読を条件に紙面ビューワーや全コンテンツを公開する、読者囲い込み型のモデルを導入する社が目立ちます。このクローズド戦略に対する是非は、様々な立場から意見が分かれるところでしょう。

ただ、一方ではオープン化に向かい、また一方ではクローズ化が進む、一見パラドクスのように感じる状況にこそ、次のメディアの萌芽が見え隠れしているような気がしています。閉じたところには、当然、洗練されたコンテンツ戦略と新たなビジネスモデルが必要です。オープンな世界ではニュースアプリ戦国時代を勝ち抜くような競争力か、新たな情報価値を生みだす仕掛けみたいなものが必要になるはずです。

昨年12月、SmartNews社のカンファレンスに参加したことがきっかけで、私自身その辺りのことが少し整理できたように思います。

2015年は、オープンな中から新たな情報価値を生みだすことと、クローズドな世界発のメディアビジネス構築の両方を追いかけてみようかと考えています。