tuneTV

8月初旬に、genesixからリリースされたiPhoneアプリ「tuneTV」、キャッチが「テレビが楽しくなる無料アプリ」だけあって、私も、結構楽しませてもらっています。これだけ頻繁に開くアプリは久しぶりかもしれません。

tuneTVは、Twitter上の、テレビ局のハッシュタグの付いたツイートを集め、それを局ごとに一覧できるアプリです。さらには、局ごとのツイート数の集計も行ってくれるので、今、どの局に対してのツイートが多いのかも可視化してくれます。

特定番組のハッシュタグが付いたツイートを集めて、リアルタイムで閲覧することは、これまでも色々なTwitterクライアントを使ってやったことがあります。しかしながら、今どの局が注目を集めているかという切り口(というよりツイートが多いかということ)で、テレビを一覧するという発想が新鮮です。また、Twitterで認証を行うと、見ている局のハッシュタグを付けて、つぶやくこともできます。

話は変わりますが、最近では、バラエティ番組だけでなく、ニュース番組でも、TwitterやFacebook等のソーシャルメディアを使って視聴者の投稿を受けたり、オピニオンを収集したりするケースが増えてきたようです。でも、ほんの数年前までは、放送が、ここまでウェブを介し視聴者と直接つながることは考えられなかったのではないでしょうか。というより、メディア側が考えていなかったのかもしれません。

ところで、以前、ニコニコ動画が流行りだした頃、社会学者の濱野智史さんが「擬似同期」という言葉を使いメディアとしての可能性を語られた文章を読んだことがあります。実際には違う時間に動画を閲覧している人たちが、その動画のタイムラインに沿ってコメントすることで、あたかも同期型コミュニケーションのようなやりとりがなされていることを、そう呼ばれていました。

今回紹介したtuneTVは、同じ番組のタイムラインをリアルタイムに共有しているわけなので擬似同期ではないのですが、何か茶の間でみんなでテレビを観ている感覚というか、そんな空間を共有する疑似体験が手軽にできるというところが、非常に面白いです。

もう一つ、tuneTVというiPhoneアプリは、メディア対視聴者というメディア側が準備した双方向ではなく、番組をトリガーにした視聴者同士のフラットなコミュニケーションを可視化しているところも面白いと思います。