ロックで独立する方法

二つ前のエントリで少しだけ触れた本、「ロックで独立する方法」(忌野清志郎著)を読みました。久しぶりに3時間くらい本だけに向かい合って、一気にワーッと読破した感じでした。

彼を初めて見たのは25年くらい前、まだ自分が中学生の頃でした。当時は、あの奇抜な衣装とメークに近寄りがたさを覚え、しばらくは、RCサクセションを好んで聴くことはありませんでした。そして20歳ころ、たまたま友人のうちで聴いたトランジスタラジオがきっかけとなり、遅まきながら、彼らの世界にのめりこんでいきました。

と、何となくこのブログらしくない、素の姿になってしまいつつあるので軌道修正を、、、(笑)

「自分の両腕だけで食べていこうって人が、そう簡単に反省しちゃいけない」

これは、本の帯に記されている一文で、私に、この本を手にとるきっかけを与えてくれたひと言です。

40歳になるバンドマン清志郎が、様々な思いを経て、20年余続けてきたバンドを無期限活動休止にする。そんな複雑な思いと、彼の信念や生き様が詰め込まれたコトバだと、つくづく感じます。

彼の言説には一つの筋があります。
この本では、名指しで、色々なミュージシャンのことが書かれています。それも批評というか、言い方を変えると、彼の素直な感想としての厳しいコトバがならんでいます。ただ、それらのコトバの中に感じるのは、彼が現実を冷静に見据えた上で、自分の信念を貫こうとしている姿勢です。単なる評論ではなく、自ら率先して対案を示し、体現している強さみたいなものを感じずにはいられません。

自分も、もうすぐ四十路。
今読んでおいてよかったと、心から思える一冊でした。