「必要なのは、担当者の人間力」

Twitter上でちょっとした騒ぎになったUCCのプロモーション問題。直後から、多くの方が評論されているので、あえて書くつもりもなかったのですが、CNETで紹介されていたUCC上島珈琲の対応、反応が素晴らしかったので、少しだけログに残しておきます。ことの経緯はCNETの記事でよくわかります。

「必要なのは、担当者の人間力」–UCC上島珈琲がTwitterのPR活動で得た教訓(CNETJapan)

ボットを使って無作為にキャンペーン情報を到達させた、というところが今回糾弾された点なのですが、その辺りのプロモーション手法の問題というのは、Twitterに限らず往々にしてあることなので、旬なツールだったが故に騒ぎが大きくなってしまったことには、若干の同情さえ覚えます。

ただ、この経験から生み出されたコメントが素晴らしい。以下引用すると

「Twitterを利用するにあたり、ユーザーがどんな反応をするのか細かく見ながら最初は人力で試すべきだったのだが、机上の想像だけで企画して、反応を見ることをせずに一気に機械化してしまった。つぶやきを1個1個聞きながら、丁寧にお客様とコミュニケーションするものであって、担当者の人間力が必要だということを痛感している」

最近、マスメディアによるプロモーションの行き詰まり感もあり、ソーシャルメディアを上手く取り入れてメッセージの訴求をはかり、さらには顧客とのエンゲージメントを深めていこうとする手法が多くなりました。ただ、いつも違和感を感じるのは、ソーシャルメディアの使い方がマスメディア的発想に支配されていることです。人数やPVなど「数」の指標を、ソーシャルのキモであるリレーションシップに優先させてしまうというか、そんな場面をよく見かけます。

今回の一件で、UCCさんはそのキモに気づかれたのでしょう。例えそれがプロモーション用の一過性のアカウントであっても、ボットで効率化をはかるだけではなく、その中にいる「人」が重要だということ。そして、そのコミュニケーションで生まれるリレーションシップこそがブランド資産になっていくということ。

ソーシャルメディアマーケティングのきほんの「き」でありながら、忘れられがちなところなのかもしれません。

明日は、UCCの缶コーヒーを買いますよ(笑)