技術的なことに関してはよくわからないのですが、「AMD、新聞各紙で広告キャンペーンを展開−対インテル独禁法訴訟」(CNET)の「新聞各紙で広告キャンペーンを展開」の部分に脊髄反射のエントリです。IT関連企業が、世論を自分の味方につけようというキャンペーンに、最もアナログな新聞広告を使うという感覚がパラドックス的でユニークです。CNETによると「物議をかもす論争の当事者が、世論を味方につけようと全面広告を利用した例は他にもある」とか。
そういえば、ウィルスバスターのパターンファイル不具合で大騒ぎになったときにも、トレンドマイクロ社は謝罪及び対処法の広告を、新聞各紙に素早く掲載しました。PCに不具合が起こっている人が新聞でアナログ情報を得るという状況。その紙面広告注目率が高かったかどうかはデータを持ち合わせませんが、マスに対して詳細な情報を迅速に届けるという意味では、新聞広告の強みが存分に発揮されたわけです。またその一方で、既存メディアが「ネットワーク社会の脆弱性」といった過敏な報道をしたことも記憶に新しいところです。
さて、AMDやトレンドマイクロを見ていて思うこと。両社は、アナログメディアの強みを知り、状況に応じてそれを利用しました。逆に言えば自分たちの弱みを知っているから、これらの一件ではアナログな新聞広告を選んだのでしょう。
逆はどうでしょうか。新聞も、もっと自らの弱みを知り、デジタルの強みを使い倒すことで開ける世界があるのではないでしょうか。