再考、インターネットとローカル

以前からこのブログでは、〝インターネットとローカル〟を意識したエントリをいくつかアップしてきました。そのタッチはどれも、「都市圏を拠点とするウェブサービス提供者が、地域展開を戦略として掲げる際、どれも地に足の付いてないような違和感を覚える、、、」というようなニュアンスだったと思います。

実際、彼らにとっての〝ローカル〟は、漠然とした手付かずの市場として映っているのではないか、と考えさせられる場面も多々ありました。この曖昧さが、地方における情報流通の理想形を思い描いてきた自分にとって、妙なプロダクトアウト的な違和感として映っていたような気がします。逆に、サービス提供者側から見ると、そこには大きなジレンマが横たわっているのかもしれません。彼らが、地方のマーケットを獲得するために、リアルな営業に経費を割くのはあまりにも費用対効果が悪い。だからといって手を拱いていては、サービス自体が都市圏型モデルになってしまい、インターネットメディアの最大の特長であるフラットな網目状の横の広がりを実現できない、といったところでしょうか。

ただ、最近、とあることがきっかけで、その逆を考えてみる機会を得ました。
地方で暮らしていると、日本中どこに行っても、県域などといった比較的小さな経済圏によって形成される「地方」があるように錯覚してしまいます。でも実際はどうなのでしょう。首都圏で生まれ育った人に、どれほど自分と同じような「地方」への帰属意識や、その中における情報やサービスへの依存があるのでしょうか。

これは、ある意味自然な成り行きなので、解決をすべき問題、というわけではないのかもしれません。ただ漠然と、これからウェブサービスをデザインしていく上で、大きな障壁というか課題になりそうな気がしてならないのです。

首都圏を中心に活動をされている方が「地方」をコーディネートする例があるように、地方を知り尽くした人間が、都市圏の地域情報や、ローカルビジネスについてコーディネートするような場面が、今後、もっと生まれるのかもしれません。希望的観測なのかもしれませんが・・・。