ツツヌケ

自称SNS研究家(他称SNSヲタ)として150箇所以上のSNSをヲチしてきたのですが、最近少しばかり単調なSNSに飽きているところがありました。SNS、特に国内のSNSは、ライフハックツールとしては、まだ未熟な感が否めないし、コミュニケーションツールとしては単調すぎるというか、物足りない感じがしていたのです。

ただ最近、かなりはまっているSNSがあります。既にあちこちでうわさになっている「ツツヌケ~日本おせっかい化計画~」がそれです。このSNSは、ツツヌケ荘という昭和の香りのする〝間借り〟が舞台になります。部屋を一つ貸してもらうことイコール会員登録です。いわゆるID1のアカウントは〝管理人のおばちゃん〟で、何とも味のある強烈な個性と、不思議なの包容力をもって迎えてくれます。

ログインすると、マイホーム(自分の部屋)の前に、廊下で住人と出会う演出があり、アンケートなど簡単な会話を交わして部屋に入ります。また、この部屋が、実にSNSらしくなく作られていて、ホンワカと温かい気持ちにさせてくれます。基本的に、SNSとしての機能は、OpenPNEベースだということもありオーソドックスなのですが、それを、インターフェースと、そこにいる数人のキャラクターが、いい感じに小気味よく演出します。また、それが妙に心地いいのです。

SNSの中でも、「地域SNS」と呼ばれるカテゴリ周辺のことを調べていると、「地縁、血縁」というキーワードがよく出てきます。昔から存在する、ある地域の人々独自の価値観や、それをベースに集まる講や、祭りといった行事と、SNS上に繰り広げられるコミュニティや、ともだちリンクの機能が重なるからなのでしょう。

でも、〝ツツヌケ〟に感じるものは、そのウェブ上に再現された社会のシステムみたいなものに、さらに人間臭さみたいなものを吹き込んでいく試みなのだと思います。メタバースのような場所も、一種の仮想現実なのかもしれませんが、このSNSの場合は、むしろ〝仮想ではない〟ことの演出が新鮮です。この効果として、懐かしさや温かさといったものをウェブ上で再現しているのが見事だと思います。

5000分の1の日記に、直に管理人のおばちゃんから、さりげないコメントが付くと、やっぱ〝粋〟を感じてしまいますね(笑)