戦略と戦術

日々の仕事の中で、色々な類のミーティングをこなしていると、目指すべきところは共通認識としてあるのに、どうしても相手との会話がかみ合わないことがあります。最近、そういった場面に頻繁に遭遇したせいか、その違和感が、自分の中に嫌な感じとして残っています。

ところで最近、「自分の課題へのアプローチは抽象的すぎるのかな」と考えさせられる場面が数回続きました。グランドデザインを描き示そうと考えているところに、ピンポイントの施策を求められ困惑するような状況です。その施策をたくさん積み重ねることで全体像を描く上手い手法があるの?と少しばかり考えてみることにしました。

そんな中、ウェブ上で見つけたのが、2006年の小川浩さんのエントリでした。少し長めの引用になりますが・・・

日本の企業の多くは戦術を積み上げて、その数字を集積したうえで、それを戦略と勘違いしているケースが多いようだ。戦略は戦術の積み上げではない。戦略とは英語でグランドデザインというが、将来を見越した世界観をまず作り上げることが戦略、それに向かって作戦行動をとることが戦術である。
日本は昔からこれが不得手だ。無数の戦術を、一つの戦略に常に沿う形で立案するのは、その重要性を理解していても難しいものだ。これには、頭の良さ以上に、根性(という言葉は嫌いだが)というか、頑固なまでの信念が必要になる。つまり、信念を持つリーダーに権限を集めることが必要なのだが、日本人はこれが下手だ。途中経過で、なにかと軌道修正を迫ったりする。
戦略をたてたら、そう簡単にぶれてはならないのに、そのわりに戦術自体は一旦動き出すと、それが間違っていても変えようとはしない。これは逆だと思う・・・。

問いに対する回答ではありませんが、自分が感じていることは、まさにこういうことなのかもしれません。戦術、施策をベースにしたビジネスのほうが受け入れられやすく、戦略、グランドデザインから語ると、どうも胡散臭くなってしまうのでしょうか。

これが「日本的なビジネス」かどうかは、比較対照を持ち合わせない私には分かりません。ただ、戦術を積み重ねて全体像を築こうとすることによるロスを目の当たりにすることも多く、それとどう向き合っていくかが悩みの種だったりします。

自分に、グランドデザインから具体的施策までを、緻密に設計できるスキルがないことが一番の原因なのかもしれませんが・・・。

まだまだ、修行が必要です。