Googleが、米国の複数の新聞社との連携で、新聞記事のデジタルコピー検索ができるサービス「Google News Archive Search」を発表しました。
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グーグル、「Google News Archive」に新機能–過去の新聞記事を検索閲覧可能に(CNETJapan)
新聞の過去記事をアーカイブ化する試みは、アナログの時代から、縮刷版やマイクロフィルムという手法がありました。そのうち、新聞記事をデジタルコンテンツ化し、検索ができるようにするという試みが、国内の新聞社でも行われるようになりました。ただ、今考えると、このプロセスにインターネット爆発的普及というバックボーンと明確な理念がなかったし、業界組織の軋轢もあり縮小こそすれど、発展させるベクトルは働かなかったように感じます。
現在、国内の新聞記事検索といえば、パーマリンクで記事公開する新聞社が少ない中では、日経テレコン21やG-searchといった有料サービスが主流です。独自に課金モデルを構築する新聞社もあるようですが、これが事業として成り立っているという話は、まだ聞いたことがありません。そういった意味では、某地方紙(笑)のような、紙面発表されるパスワードによる認証型の無料記事検索は貴重な存在かもしれません(パスワードは掲示板などで流通してるし・・・)。
ただ、今回のGoogleNewsArchiveには、Googleがいつも繰り返すミッションに添った、しっかりした理念があります。コンシューマの利便性が著しく向上することは明快ですし、何より、アナログからデジタル変換したコンテンツを、膨大なスケールで時系列に整理することの意義は、大げさにいうと人類の資産としても価値あることでしょう。媒体社側にしてみれば、トラフィック増大による広告モデル、世界一の広告会社Googleとのレベニューシェアというメリットが生じるのでしょうか。費用対効果のほどは分かりませんが。
こういったサービスが出てくる中で、国内の新聞は、どういった戦略で舵をきればいいのでしょう。ペーパーメディアビジネスとの兼ね合い、カニバリゼーションをいかにして乗り超えるのでしょうか。会員制や課金といった閉じたモデルでコンテンツのばら売りをするのか、それともグローバルな流れの中で大きく舵をきり、全く新しいビジネスを追求していくのか・・・。
いずれにせよ、「情報」の周辺環境を正しく認識し、どのスキルが使えて、どれが廃れていくのかを、一刻も早く見極める必要があります。新聞の機能のどこに、コンシューマが対価を払っているのか、GoogleNewsArchiveのような潮流とどこで差別化を図ればいいのか、今一度考え直す時だと思います。