この度、熊本県球磨郡湯前町に一般社団法人奥球磨スマートタウン研究所を設立しました。同町で一緒に地域情報化の活動を行ってきた、九州地域情報化研究所の横山先生と私の最小ユニットでの船出で、先生に代表理事をお願いし、私が理事に就任することになります。
湯前町を初めて訪れたのは2011年10月7日なので、すでに6年間湯前町に通っていることになります。佐賀のオフィスからだと、車を運転して片道3時間半、多いときは月4回通いました(笑)
はじめは、言い方は悪いですが、どこにでもある山村という印象だったのですが、訪問を重ねるほどに何かこれまで訪れた町とは違う魅力を感じるようになっていました。これだ!というキラーコンテンツには欠けるのだけど、なんだかもう一度行きたくなる感覚があって、その要因が何なのだろう?という探究心というかワクワク感が常にありました。
さすがに6年も通っていると、そのワクワク感の要因が少しずつ自分なりに解析できてきました。例えば、
・球磨盆地の一番奥にある山際の町だけど、限界集落はなく町の中央付近に人口が集中している“天然のコンパクトシティ”になっている。
・くま川鉄道の終着駅(地元にとっては始発駅)があるというシチュエーション
・山奥なのに塩泉の温泉がある(湯楽里)
・住民も出身者も、何か“シビックプライド”みたいな意識をしっかり持っている
・湯前町出身の風刺漫画家、那須良輔さんを顕彰する“まんが美術館”があり、有名な漫画家が聖地と捉えている
・潮神社(通称:おっぱい潮神社)があり、町民有志による“おっぱい祭り”が開かれている
・若者が元気。本当に20代の青年が中心に活動する青年団がある(これはFacebookで知ったw)
・人口4000人の町に、米焼酎の蔵元さんが2軒。これがいずれも美味い!
などなど。
まだたくさんあるので、これは奥球磨スマートタウン研究所の取り組みとして少しずつアウトプットしていければと思っています。
ところで昨日、地元佐賀の企業の方とお話をしていて、このTweetのようなことを考えていました。
地方には、小粒だけど世界に誇れる要素があって、これらを既存のヒエラルキーをこえる位置に移動させることがいかに大事かを考えた1日でした。
— うしじませいごう (@SayGo2011) 2017年6月6日
地方創生にしても地域情報化にしても、既存のヒエラルキーの中でどうもがいても、そう簡単にイノベーションなんて起こり得ないのだと思います。そのがんじがらめの構造から、少し価値観をずらすような取り組みが、地方にはもっともっと必要なのです。これは、きっとあらゆる分野で。
奥球磨スマートタウン研究所を、そういう後押しをできる小さなローカルシンクタンクとして機能させていきたいと思います。みなさん、取り敢えず湯前町に遊びに来てみてください(^^)