アップルとグーグル

アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者を読みました。

タイトルから、すごいセンセーショナルな内容を期待してしまっていたのですが、どちらかといえば〝おさらい〟的な内容だったように感じました。これまでも、散々この2社の取り組みには注目してきたので、漠然と思っていたことが、きちんと体系だてて整理できたという意味では価値ある一冊だったと思います。

ただ、毎日Cnet、JapanInternetComなどのIT系メディアや、アルファな人たちのブログなんかを追っかけている人は〝おさらい〟だと思って読み始めたほうがいいのかもしれません。

一方で、日本企業、特にバブル以前から、さほどビジネスモデルが変わっていない企業の経営陣には、ぜひ読んで欲しい一冊です。ブランディング、バリューチェーンなどへの認識が変わり、パラダイムシフトへ向かうきっかけになるのではないでしょうか。そういう意味では、既存マスメディアの経営陣にぜひ読んでいただきたいところです。

いずれにせよ、この2社は、今後の日本のビジネスフィールドでより大きな影響力を発揮するはずです。特に、日本のインターネット文化の特徴でもあるモバイル分野では、目の離せないというより、台風の目になりそうな存在です。やはり、この辺りを眺めると、Google+Amazon=Googlezonではなく、Google+Apple=Googleppleのほうがポテンシャルを感じてしまいます。

ところで、「本」の話に戻りますが、シルバーの装丁がすごくクールだったのですが、持ったときのべたつき感がすこし気になりました(私だけ?)。「ipodTouchには指紋がいくらつこうが、誰も文句は言わないだろ」というのと同じ、良い意味での作り手の哲学、プロダクトアウト戦略なのかな(笑)