まだ広告のパラダイムシフトは起こっていない?

ここ最近、ウェブ上にうっとうしい広告が増えているような気がしてならないのは私だけでしょうか。

しばらく前のエントリでも書きましたが、スタンドアロン型のRSSフィード広告を採用するブログサービスもいくつか出てきました。しつこいようですが、ここに何らパーミッションがない場合、ブログの読み手と書き手という関係に、ブログサービス提供者の強烈な意志が働くわけで、読み手としては戸惑うケースが多々あるわけです。実際、某SNS内では、私の友人のブログが更新されたことを知らせるフィールドに、広告のフィードが大量に入ってくるわけです。大人な事情は分かるのですが、もっと良いやり方はないのでしょうか。

また、某アドセンスに代表される、コンテンツマッチのテキスト広告でも、いわゆる「釣り」が多すぎて嫌になってしまいます。さらに、検索連動型のリスティング広告でも、巧妙なキーワード設定がなされること自体を否定はしないのですが、クリックして嫌な気分にさせられるものも少なくありません。

こういった感覚というのは、何もネット広告に限ったことではありません。
新聞でもペイドパブなど、あえて記事とスタイルを統一し紙面に同化させ、メッセージのリーチを高める工夫をするケースもあります。TVでも、プロダクトプレースメントなんかは、こういった広告手法に発想は近いのでしょう。

ただ、最近私が感じている違和感は、そのあたりに起因しているのです。

広告と思わずに読んだり、クリックしたり、観たりして、これがユーザ個々にとって有益であれば問題ないでしょう。ただ、最後まで読んだあとで「わっ!これ広告!?」という状況はあまり好ましくないのではないでしょうか。マスメディア広告の多くは、より多くのコンシューマにメッセージがリーチすることを主眼におきますので、こういったケースが生じうることも多いかも知れません(記事に同化させリーチするスタイルは個人的にどうかと思いますが・・・)。

ただ、ウェブ上の広告は、こうあって欲しくないなぁとつくづく思います。最近何度も書きますが、テクノロジーの後押しで、コンシューマが必要なシチュエーションにリーチする広告を開拓していく必要があるのでしょう。コンシューマを欺いて、リーチさせたりクリックさせたりするスタイルでは、例えCTRなどが格段に向上したとしても、次世代型の広告とは呼べないような気がします。

そういった意味では、まだ広告の世界は、マス広告的な従前の発想から解き放たれず、真のパラダイムシフトが進んでいないのだと思います。最も大きな要因は、広告市場がまだ旧来のヒエラルキーに大きく依存していることなのでしょうか。

とか言いながら、サイドカラムに色々な広告を表示させているという、自己矛盾も抱えているのですが・・・(苦笑)