死んだ人が生き返る

今日の朝、新聞の社会面で「死者、生き返る15%」という見出しが目を引いた。いくつかのニュースサイトでも改めて確認してみたところ、Yahoo!ニュース(読売新聞)などでも「死んだ人、生き返る」小中学生の15%…長崎県調査という見出しで記事が載っていた。

本当に小中学生の15%がこんな非現実的なことを信じているのか、信じ難い気持ちで、長崎県のHPに、元になったリリースがないか探してみた。すると、「児童生徒の「生と死」のイメージに関する意識調査について」
と題した詳細な報告書があった。

やはり驚かされるのは、ニュースの見出しにもなった「死者は生き返る」という回答の多さ。正直15%というとピンと来ない感じがしたのだが、3611人のうち500人以上が生き返ると思っている、という報告を読むと、何か恐ろしいものを感じる。また、その500人に「なぜそう思うか」を聞き取りした内容が細かく載っている。

「テレビで見たことがある」「人に聞いた」「ゲームでもある」という回答が多く、ニュースでもクローズアップされているが、それ以外の少数の回答にも驚かされる。「霊」「宗教」「魂」などのオカルト的な理由に挙げるもの、クローン技術や医療技術など、医学や科学の進歩などを理由に挙げるものなどが多い。

最近、犯罪の低年齢化とともに、その要因としてゲームやネット環境が取りざたされ、「リアル社会と空想社会の区別が付かないようになって・・・」などと評論されているのをよく聞く。しかし、その空想社会と付き合う方法や、技術の進歩の意味を正確に教えることができていない大人社会にこそ最大の原因があるように思う。少数意見として列記されている「非現実」を信じきった回答や、科学技術を正しく認識していないが故の回答が、それを物語っている。もはや教育現場だけの問題ではない。


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