SNSヲタの悩み

自称SNS研究家、他称SNSヲタとして、最近気になって仕方がないことがあります。それは、SNSのスタイルについてです。

最近、日本でもオープン型SNSが流行っているようです。もともと、ミクシィ、GREEはじめ、クローズスタイルのSNSが多いわが国に対し、米国型は、日記などがウェブに公開される、ブログの進化系といったスタイルが多く見られるようです。
でも、それがなぜなの?という疑問に対する明快な回答には、まだ出会ったことがありません。

そこで、自分なりに、経験をもとに勝手に分析すると、何を考えながら、何の目的でエディタに向かうのかによって、どちらのスタイルのSNSが向いているのかが、大きく変わってくるように思います。情報を発するときのベクトルというか、そういうものが、まずここで決まってしまうので、そのスタンスは、大きくオープン?クローズ?に関わってきます。

オープン型だと、人が読むことを前提に書かなければならないでしょう。それが仮に意識されていなかったとしても、これは、不特定多数にリーチする可能性がある、と考えれば、一種の個人発のメディアです。そして、それらが共通項をもとに集まろうとすると、そこには良質なサロンのようなコミュニティが出来上がる?のでしょうか。1年ほど前、急速にブログ人口が伸びたときに、古参のブロガーさんが「1年前はよかった。ブロゴスフィアが良質なサロンみたいで・・・」と言われていたのを思い出します。ただ、メディア化したものの集合体だとすれば、情報のロングテール化とは、また意を異にするもののような気がしてなりません。

一方、クローズ型の特徴は、人と関わる、リレーションが生じることは前提となっていても、多くの人が読むことが前提になっていないように思います。イメージとしては井戸端会議に近いのではないでしょうか。その特徴は、エントリやコメントの短さに表れていて、主張をする、論じるというよりも、むしろ会話をする、合いの手を入れる、といった感覚に近いものがあります。それら読まれることを前提としない情報こそ、まさにロングテールの尻尾の部分ではないか、と最近思うようになりました。そして、その中でもまれながら産まれてくるのが、本来の参加型ジャーナリズムではないかと。

あなたはどう考える?と聞かれると、新たなメディアを創出するのであれば前者の可能性にかけるけど、既存メディアが取り組むのであれば後者、と答えると思います。

と書くうちに、「じゃユーザーが選択できればいいんじゃない」という、とんでもないオチが頭をよぎったのですが・・・
やはり、ここで大切なのは、運営者のポリシーなのでしょう。

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4 Comments

  • つがる

    2006 年 12 月 21 日

    saygoさま

    お疲れさまでした(まだ着いてないか)。
    お忙しい中仙台に来ていただき恐縮です。
    いろんなお話を聞けて大いに刺激になりました。
    と同時に自分の勉強不足も痛感しております。

    >やはり、ここで大切なのは、運営者のポリシーなのでしょう。
    そうですね。“腹のくくり具合”なのですよね。
    これからもいろいろ勉強させてください。ありがとうございました。
    そちらにもおうかがいしたいなあ…

  • saygo@管理人

    2006 年 12 月 22 日

    >つがるさま

    コメントありがとうございます。
    いえいえこちらこそお世話になりました。営業のはずが研修になってしまいました(苦笑)

    おっしゃる通り「腹をくくること」「覚悟」が大事だと思います。それができるとサイト運営も楽しいものですよ。

  • ショージ

    2007 年 2 月 16 日

    日本では、「ネットは怖いもの」「ネットは恥ずかしいもの」という先入観が強いので、堂々とオープンな場で自己表現をすることに抵抗が強く、囲い込みによる安心感や細かいアクセスコントロールを求める傾向が強いのではないかと思います。

    「ネットは怖いもの」というイメージには2ちゃんねるに代表されるネット文化が影響しており、「ネットは恥ずかしいもの」というイメージには昔からある「コンピュータ=オタク」というイメージが影響しているのでしょう。実際にはSNSだって怖いものになり得るし、オープンな場で自己表現をしても何の問題もないこともあるのですが、とにかく今、ユーザーが囲い込まれた世界を好むのは、これまでの日本のネット文化の経緯が影響しているのではないかと思っています。

  • saygo

    2007 年 2 月 19 日

    >ショージさん
    コメントありがとうございます。
    確かに、怖いもの、恥ずかしいものという先入観、偏見が、世間のネットに対する意識に大きく作用していることは間違いないでしょう。また、それを助長しているのがマスメディアではないかと思うことも多々あります。

    ただ、インターネットや、ネット上のコミュニケーションツールが、コモディティ化する過程で、その先入観が薄れ出すタイミングがあると思うのです。その微妙なタイミングこそが、SNSでありネットコミュニケーションが生まれ変わるキモではないかと考えています。

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