ここ最近、また「ラストワンマイル」というキーワードを耳にする機会が増えました。
もともとラストワンマイルは、通信の世界で、最寄りの基地局からユーザーを繋ぐ部分を指していた言葉なのですが、最近では、必要とする人に、必要なものを届ける最後のコンタクトの仕組み、といった意味で使われることも多いようです。
4月14日に発生し、まだ余震が続いている熊本、大分地震では、未だに避難所で不自由な暮らしを続けられる方がいらっしゃいます。私も、発災直後から、避難されている方向けに、必要な情報を届ける仕組み作り、情報マッチングについて、色々なコミュニティでの議論に参加してきました。ただ、その中でジレンマとして生まれてくるのが、本当に必要な人に届ける最後の手段が、ITだけでは十分でないことだったりします。「プリントアウトして避難所に貼りだす」というような手法が実は有効で、それを実践されている方々も多くいらっしゃいました。
これも、情報と人をつなぐラストワンマイル部分の大きな課題といえるのかもしれません。
話は変わりますが、先日、日経電子版で以下のような記事を見かけました。
インターネットを通じた処方薬の通販ではなく、このケースは、きちんと薬剤師が服薬指導をした上で、“運ぶ”部分だけを日本郵便が受け持つという仕組みのようです。これも、ラストワンマイルを効率よく結ぶ手立てといえるでしょう。
以前(といっても10年ほど前)、このブログでも「流通のラストワンマイル」というエントリを書いたことがあります。当時は、郵政民営化で物流を郵政が押さえにくる、その前に新聞社も販売網を活用する策を考えるべし、ということを考えていました。2010年には「宅配について考えてみた」というエントリで、再度同様のことを書いています。
自分が、ずっと気になっている部分は、やはり、必要なモノ、情報を、必要な人に届ける、最後の流れというか仕組みを考えなければということだったりします。デジタルメディアやデバイスの進化で、この10年、随分と色々なものの仕組みが変わったのだとは思いますが、まだまだ、情報と人をつなぐラストワンマイルには課題がありそうです。