「紐帯」のこととか

「ソーシャル○○」を語る数々の場面で引用される、グラノベターの「弱い紐帯の強さ論」。私もSNSに興味を持った頃に出会い、少なからず影響を受けました。

しかし、これらがウェブ上で可視化されることで、量的な見方に偏りすぎているのでは?、という「消化不良」を今さらながら起しています。本来、「紐帯」とは機械的に作られたものではないので、その一つ一つに、編み出される背景などの多種多様な要因が潜んでいるはずなのですが、これが物理的な距離だとか、アルゴリズムによって置き換えられたとたんに薄れてしまう、というかそんな感じです。うまく言えないのですけど…。

デジタルデータ上で可視化されるリレーションと、その背景に存在するリアル(非デジタル)で微妙なファクターは、その両者が上手く共存してこそ新たな価値を生み出すものだと思います。それは、マーケティングリサーチで言うと、サンプル調査(悉皆調査かな?)とグループインタビュー、定量と定性みたいなポジショニングに近いのかもしれません。

こう考えると、SocialGraphはじめ、今後ウェブ上で重要なポジションを占めるであろう「ソーシャル」なツールにも、もう一つ何らかの「スパイス」が必要なのでかもしれません。そのスパイスが何かは、私の中で、まだ明確には整理できていないのですが、おぼろげに感じているのは、例えば、BTや位置情報、パーミッション、レコメンデーションなどを複雑に組み合わせたアルゴリズムではないかということです。突き詰めていくと、人工知能とかそんな領域に近くなってしまいそうなんですが・・・。

モノとヒト、ヒトとモノ、モノとモノをつなぐ過程においては、この紐帯のバックボーンにある「質」をどう捕らえるかが、これから先のコミュニケーションデザインのキモになってくるのだろう・・・とか、毎晩、歯切れ悪く考えていたりします(苦笑)

ただ、エンドユーザーから見れば、便利とおせっかいは紙一重なので、これを見分けることが重要になってくるということは間違いなく言える思います。