OpenIDについてのメモ

2月末、シックスアパート、日本ベリサイン、NRIが中心となって、OpenIDファウンデーションジャパンを立ち上げました。私も以前からOpenIDは気になっていて、昨年の夏ごろにIDを取得、対応しているあちらこちらのサイトで試したりしました。

今回、このプロジェクトにYahoo!やmixi、ニフティといった大御所が賛意を表明したことで、注目度もかなり高くなっているようです。多くのメディア で、その道の専門化がコラムを書いていらっしゃるし、ネット系ニュースサイトなどでトピックとしてとりあげられることも多く、興味を持つ一人としては嬉しい限りです。

ただ、ブログなどを見てまわっていると、あまり評価していない、まだ眉唾、といった意見が多いのも現状です。確かに、複数を管理する必要があったID・PASSをURI形式の一つにまとめることができる、というところをユーザー側から見れば、それ程目新しい概念でもないように思います。技術的な価値はよく分からないのですが、このブログでも2006年6月に取り上げた、認証API公開とそう変らないのではないのでしょうか(特にユーザーから見れば)。すでに多くの会員を持つサービス、例えばYahoo!やmixiが認証APIを公開し、他サイトでもIDを使えるようにすれば余計にそうかもしれません。

このOpenIDには、まだ数々の課題も残されているようです。まずは、OpenIDのプロバイダになることは案外簡単な事らしいので、次の段階として信頼おけるIDの見極めが必要になることでしょう。誰が発行したかよく分からないIDでログインされることは、サービス提供者としても好ましくないはずですし、きっとホワイトリスト方式みたいな対応策が必要になります。また、他の課題としては、既に登録しているサービスのIDとOpenIDとの関連付けが容易にできる必要がありそうです。実際に、既に登録しているいくつかのサービスにOpenIDでログインしたいのだけど、既存のアカウントとの関連付けが準備できていないケースも、まだ多いようです。

また、OpenIDがユーザー囲い込みのツールになってしまうと本末転倒になってしまいそうです。具体的に言うとIDを発行するプロバイダにはなるけど、他で発 行されたIDを受け入れるコンシューマにはならないといったケースです。もともと「オープン」であることが前提でしょうから、囲い込もうという発想はポテンシャルを著しく阻害するのだと思います。

以前、SNSを囲い込みのツールだと思い込んでいた私に、「SNSは会員制のクローズドサイトだが、囲い込むことを考えるな、解き放て」と助言してくださった方がありました。このアドバイスは、OpenIDにも通じるのかもしれません。

OpenIDは、まだ私の気づいていないポテンシャルを秘めているはずです。まだ、自分の中で咀嚼できていないところもありますが、OpenSocial、Socialgraphなど、その辺りとの関係性を考えていくと面白い展開が見えてきそうな気がしています。

でも、まずは、OpenIDをたくさん持ちすぎて結局は覚えれない・・・という状況を何とかしなきゃ。

参考資料

Wikipedia

OpenID.ne.jp

仕様から学ぶOpenIDのキホン

OpenIDが熱狂的に受け入れられる理由

シックス・アパートや日本ベリサインなどが「OpenID」普及団体設立へ