新聞社

新聞社―破綻したビジネスモデル

この本自体は、随分前に読んだのですが、最近、自分の周りで何かと話題に上ったり、ふとしたきっかけで、大いに頷かされたフレーズを思い出したりしたので、改めてメモを残してみようかと思った次第です。

そのフレーズとは、

改革を阻んでいるのは、どこの社会にも存在する、「昨日のように明日もありたい」と願う人間の性です。

というもの。この一文をかみしめることの多い今日この頃だったりします。

ところで、この著書では、新聞業界の再編について、著者、河内氏の斬新なアイディアが披露されていました。毎日、産経、中日が連携し、業界に第3の軸を作るべき、というもの。ここに「地方」という観点がなかったのが、私としては少し残念でしたが・・・。

地方紙が、数の論理で安易に大同団結することには、あまり感心しませんが、インターネットメディアの特性を上手く活用し連携をすることで、地方紙のポテンシャルはもっと引き出せるのだと思います。そんなことをベースに色々な思いを募らせる日々を送っています(笑)。

同書の書評で素晴らしいと思ったのが、カトラーのマーケティング言論でした。「毎日新聞がソフトバンクに・・・」は何ともいえないとしても、新聞社の方向性として「新聞再編のもうひとつのシナリオ」はまさにその通りだと思います。

「昨日のように明日もありたい」と思っている間は、夢物語なのかもしれませんが。


2 Comments

  • 今だけ委員長

    2007 年 9 月 9 日

    河内さんのような経営者ってどうですか?(実際に毎日では経営者でしたが…)

    地方紙の方はどんな返事を返してくるでしょうかねぇ(笑)
    ともあれ、とてもエネルギッシュな方だし参考にさせていただくことも多い。「新聞社―破綻した…」は今でも仙台の書店で平積みです。

    >毎日、産経、中日が連携し、業界に第3の軸を作るべき、というもの。ここに「地方」という観点がなかったのが、私としては少し残念…

    河内さんは「何をするにも2極(A&Y)体制では進まない」から規模的にこの3社をあげたまでで、真意は「印刷から下流の部門の業務提携を加速させる」ことだと理解しています。
    http://www.shinbunroren.or.jp/hanbai/hanbai.htm#12

  • saygo

    2007 年 9 月 9 日

    >今だけ委員長さん

    コメントありがとうございます。

    >河内さんのような経営者ってどうですか?

    私は個人的には大歓迎ですね。業界の酸いも甘いも知り尽くした上でスクラップアンドビルドを推し進めることのできる、数少ない人の一人だと思いますので。でも、昨日のように明日もありたいと思っている人たちは拒否するでしょうね(苦笑)

    第3の軸の件は、私の勉強不足でした。ご指摘いただきありがとうございます。

    私も以前から、新聞社の究極の自前主義には疑問を持っていましたので、河内さんのおっしゃることはよく理解できます。ただ、印刷に限らず色々な面で、新聞社は業界の外にも目を向けるべきだと考えています。新聞社が大同団結しても、新しい価値観はなかなか生み出せないのかなと思います。

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