再び「Web2.0」について

私は、今年の夏に「Web2.0」という言葉に出会いました。はじめは、ただの企画屋でITの技術的な知識が皆無の私にとっては、何がなにやら分からないことばかりでした。しかし、実際にWeb2.0的なサービスを、片っ端から使ってみて、少しだけこの潮流が何なのかが分かってきたような気がします。

iNTERNETmagazin1月号(インプレス)の特集は「新潮流!Web2.0」。提唱者ティム・オライリーのインタビュー記事あり、この世界のイノベーターの皆さんの記事ありで、まさにWeb2.0だらけの充実した内容です。また、今年よく聞いたキーワード、例えばロングテールなどについても触れられていて、今年のネット界の潮流がよくまとめられています。

でもやっぱり難しい。Web2.0とは何ぞや論を突き詰めて考えていくと、それはある種技術論を超えて哲学的でもあり、その迷宮の中をぐるぐると回っているような気分にさえなってしまいます。

そこで、少し簡単に考えてみることにしました。
例えばブログ。これは交換日記みたいなものと考えればいいかもしれません。私も小学校の頃数人でやったことがありますが、友人が書いた内容に呼応して自分の日記を書くのは、トラックバックの仕組みによく似ています。
例えばflickr。これは子供たちがよくやっているシール交換に似ています。自分のシール手帳にカテゴリー別に自慢のシールを並べ、友達と数人で見せ合い、場合によっては交換したりしています。
・・・と考えてみると、意外と2.0的なものというのは、これまで人間社会になかったというわけではないようです。ただ共通していることは、実社会では当たり前のように体験していることを、インターネットという便利な道具で、つながる可能性や共有の可能性を広げているということでしょうか。

とか何とかだらだらと考えていて思ったこと。Web2.0の潮流は、インターネットが技術者の手から親離れをはじめ、コモディティ化しはじめている、そんな生みの苦しみなのかもしれません。
今年、私はSNSに興味を持ち、片っ端からそのサービスを利用してみました。そこで多くの人と出会い、それがリアルミートにつながりました。この一年、インターネットは、私にとって、バーチャルではなく実社会で生きていくための便利な道具になりました。より多くの方が、こういった経験を繰り返すことで、インターネットはコモディティツールに姿を変えていくのでしょう。

きっとWeb2.0を、新しい技術、潮流としてではなく、平易な言葉や体験を通じて、子供からお年寄りにまでに伝えていくことが、2006年の大きなテーマになってくるのかもしれません。