古きものが死に瀕している。でも誰も来るべきものを明確に見出せない。それがテサラック。

Archive for the ‘メディア周辺’ Category

マスメディアの憂鬱

火曜日, 12 月 9th, 2008

実は、数ヶ月前からこういうタイトルのブログエントリを数回に分けて書こうと思いながら、未完のまま公開できずにいます。問題点を整理し、自分が思い描くローカルメディアビジネスの方向性をコンパクトに、しかもポジティブにまとめたいと思っているのですが、これがかなり苦戦しているのです。

そんな中、苦悩に追い討ちをかける「特集」が、週刊ダイヤモンドで組まれました。タイトルは、「新聞・テレビ複合不況~崖っ縁に立つマスメディアの王者」(週刊 ダイヤモンド 2008年 12/6号)

ここ1~2年、マスメディアのビジネスモデル崩壊を予測する(業界にとって)衝撃的な本の出版や、雑誌の特集が繰り返されました。それらは、マスメディアの旧態依然としたビジネスモデル、経営体質から、やがて訪れるであろう窮地を予言した内容が多かったように思います。その構造的な問題に、世界的な金融不安が追い討ちをかける状況下での今回の特集。私にとっては、これまでに読んだどの書籍、雑誌よりもずっしりと重くのしかかりました。これまでのモノがボディブローだったなら、今回のモノはトドメの一歩手前の有効打といった感じでしょうか。

内容に深入りすればするほど、ポジティブでいられなくなりそうなので(笑)、まず、さらりと感想を。

前回の特集「新聞没落」も、なかなか鋭い内容でしたが、今回は、「新聞・テレビ」という、オールドメディア両巨頭をひと括りにしたことで、「マス」メディアのビジネスモデルの限界が、より明らかにされています。さらに、新聞に限っていえば「〝押し紙〟にメスを入れる新聞業界」、という構図が新しい視点として目をひきました。この辺りの背景にあるファクターといういう意味では、記事化されていない部分、もしくは取材が及んでいない部分も多いかとは思うのですが、全般的には細部まで取材されているし、業界のありのままが、見事に書かれています。むしろ、ここまでの論拠を準備した同誌編集部には頭が下がるし、皮肉にも、広告費ではインターネットに抜かれたといわれている「雑誌」という媒体の魅力、可能性を、改めて感じることになったというのも事実です。

話は変わりますが、8日、新聞業界にとって大きなトピックが舞い込みました。
米メディア大手、トリビューン破産申請か LAタイムズなど発行(MSN産経ニュース)

ビジネスモデルがどうこうということではなく、もっと本質的な何かが問われ始めたのだと思います。そして、このうねりは、決して海の向こうの話ではないということが、前述の特集を読めば明らかです。

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Google Mobile App

水曜日, 11 月 26th, 2008

Googleの新しいプロダクトは、いつも好奇心をかきたててくれます。
11月19日にローンチされたサービス「Google Mobile App」も、例に漏れずワクワクさせてくれます。

最も、気になるサービスが音声による検索。(国内では?)デフォルトでオフになっていますが、設定画面でオンにすると普通に使えます。ただ、まだ英語のみの対応で、アメリカ英語のアクセントに最適化されているとの注意書きもあります。と、書かれていると余計に試してみたくなるもので、早速試してみました。まず、英語がからきしダメな私が一言目に恐るおそるつぶやいたのが「Google」。なんとベタな(笑)。でも、何とか認識していただいたようで、検索結果がちゃんと出てきました。そこからは、まさしく自分の英語力のなさを露呈しまくりで・・・、でも、いい勉強の機会と思い、暇を見つけては格闘しています。

ところで、昔から好きなSFドラマの一つに「スタートレック」があります。何だか、今の我々の生活からは想像がつかないスケール感が大好きなのですが、そのドラマに毎回出てくるシーンが、人とコンピューターとの会話です。ピカード館長が、自分の部屋にもどり、「コンピューター、バーボンをロックでくれ」としゃべりかけます。すると「ピ~ピ~、最近ガンマーGTPの数値が高いようです。今日は水割りにされてはいかがでしょうか」と返事をするわけです(セリフはダミーですが・・・)。で、仕方なく水割りを飲む、といった場面です。

今回、Google Mobile AppをインストールしたiPhoneに向かってしゃべりかけながら、そんなスタートレックの世界を、リアルに身近に感じました。普通に、音声認識+サーチエンジン+リコメンデーション+α(ココをどう考えるかがキモなのだけど・・・)があれば、スタートレックの世界はすぐにでも実現できそうです。亜空間通信とかワープとかは見当がつかないけど(笑)

お役所も言っている「ユビキタス」というのがそんな世界なのだろうけど、そのワクワク感を、体感、実感させてくれたのは、Googleさんでした。恐るべし。

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次世代マーケティングプラットフォーム

水曜日, 11 月 12th, 2008

2008年4月、「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」の著者、湯川鶴章さんのブログに次のようなエントリがアップされました。

米国取材の結果、本の内容を根本的に変更することに決めた。ということで200ページほどの原稿がすべて無駄になった。

この後、ブログではボツ原稿が全てアップされています。これはこれですごいボリュームで読みごたえがあるのですが、それをボツにしてまで書かれたのがこの本、ということからも分かるように渾身の一冊だと思います。著者は、「ネットは新聞を殺すのか」からここまで、メディア変容といってしまうと月並みなのですが、情報が生産され消費されていくスタイルの変化の半歩先みたいなものを、常に論じてこられました。そういった流れを思い起こすと、一種の結論めいたモノに到達されている感じさえします。

ところで、このブログで2005年4月に「広告が広告でなくなるとき」というエントリを書きました。この頃、ちょうど私は、インターネットとマーケティングに出会い、咀嚼しながらその親和性の高さを痛切に感じ、同時にマスメディア広告の限界を感じ始めたころで、「広告は受け手の情報欲求の具合によって、スパムにも不可欠な情報にもなりうるよなぁ」というようなことを考えていました。このおぼろげに感じ続けてきたこと、既存の広告にボディブローのように襲いかかる変化のイメージが、この本を読んだことで、明らかに確信へと変わりました。

この本の主題は、「広告がクリエイティブからテクノロジーへと本質を変えていく、これまで広告と呼ばれていた活動の重要なファクターが重心移動する」というようなことだと思います。その中で、エンドユーザーとのコンタクトポイントを最適化する手法に変化が訪れる、というか既に変わり始めているということが書かれています。このことが、SaaS型のeCRMを提供するsalesforce.comだとか、デジタルサイネージに代表されるような新しい広告デバイスを通して象徴的に語られています。

また、全編を通して一つの重要なキーワードが繰り返し使われています。サザエさんに出てくる「三河屋さん」がそれです。これが、テクノロジー×マーケティングの代表格ともいえるsalesforce.comと融合することで何が起こるか、というようなところがキモなのでしょう。三河屋のサブちゃんは、磯野家の御用聞き営業みたいなもので、無意識のうちにデータマイニング、テキストマイニングを行っているわけです。これはいわゆる経験則みたいなものかもしれませんが、このリアルなコンタクトポイントがあって、そこにテクノロジーをベースにした情報や設備のシェアが加わり「次世代マーケティングプラットフォーム」が形成されていくのでしょう。

ただ、この内容を快く思わない方々も、たくさんいらっしゃるはずです。恐らく、これまでの広告の概念を全否定するもの、今なお主流であるクリエイティブ重視のプロモーションスタイルを否定するもの、と捉えられてしまうのではないでしょうか。実際にそういった批判的な意見にも、多々遭遇しましたが、この現象は、あくまで重心移動であってゼロサムの話ではないことを念頭に論議をすべきなのだと思います。とかく、既存の枠組みの中にいると、こういった新しいテクノロジー系の話には排他的になりがちです(経験上・・・)。しかしながら、この論議に答えを出すのは、媒体社でもクリエーターでもありません。商品やサービスを届けたい、知らせたいと思う供給者と、その商品やサービスを消費するエンドユーザーのレスポンスこそが、その価値を決めることは必然です。

次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」は、単なる既存の広告ビジネスの論評や、マーケティングに関する最新テクノロジーのレポートではありません。その先に訪れる新しい広告スタイル、まさに「広告が広告でなくなるとき」の出現を予言した内容だと感じました。

湯川さん、ご献本いただきありがとうございました。

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地域SNS全国フォーラムin佐賀を終えて

日曜日, 10 月 26th, 2008

もっと早く、このエントリーをあげるべきだったけど、1週間、間があいてしまいました。
もうお気づきかと思いますが、実はこのブログのエンジン「wordpress」の調子が思わしくなくて、丸ごとwordpressを入れ替えるという作業を行っていました。投稿が保存の段階でとんでしまったり、タグクラウドの日本語タグが効かなかったり・・・。何とか、のせ変えては見たものの、記事IDが全て変ってしまうという事態に見舞われ、リンクの多い主なエントリだけリダイレクトを書いて急場をしのごうかなどと悩んでいるところです。

という長い言い訳は置いといて、
10月17日、18日、この一つ前のエントリでも紹介した、第3回地域SNS全国フォーラムin佐賀が、無事終了しました。今回私は、完全に裏方で、自分で設定したパネルセッションを、どれもまともに聞くことができませんでしたので、記録VTRでぼちぼち復習をしているといったところです。

それにしても、手前味噌にはなってしまうのですが、「地域SNS」というキーワードで括られる一種のムーブメントに、アンチテーゼを投げかけるという意味では、有意義なフォーラムになったのではないかと感じています。特にメーンセッションでは、ウェブサービスに精通してはいるけど、地域SNSとは必ずしも近い位置にいない3人が地域SNSを俯瞰的に見ること、を主題として掲げており、これをパネラーが見事に果たしてくれました。何事もそうですが、スタート地点の問題提起は重要なポイントなので、このメーンセッションの中身が、2日間にいい影響を与えてくれたと思います。

本当は、ここでレポートしたいところだけど、まだ復習途中なので、皆さんのレポートをご参照いただければと思います。

最後に、今回の私なりの成果を一つ記しておきます。
それは、地域メディア(既存メディアという意味ではなく、情報の媒介としての広義での・・・)の再編が起こっていることを、改めて実感したことです。フォーラムに全国各地から集まった皆さんは、自治体、NPO、企業、個人、学生、研究者、そして新聞社やテレビ局の人たち。「地域SNS」をトリガーに佐賀に集まり、そこで、人と人のコミュニケーション、人と情報のつながりについて論議しているわけです。

ここに、ユーザーに起点を置いた、新たな「地域メディア」の胎動を感じずにはいられません。それがSNSでなければならない理由は、正直、私にはまだ見出せていないのですが、「コミュニケーション」をベースにしたメディアが、地方で求められ始めていることは確信できました。また、それが、これまでメディアと呼ばれていた団体、企業とは全く別の枠組みから生まれ、育ち始めているということも特記しておくべきかもしれません。

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地域SNS全国フォーラムin佐賀

火曜日, 9 月 30th, 2008

今年の2月、横浜で開かれた第2回フォーラムには、私も参加させていただき、簡単なレポートを書きました。そして、縁あって10月17日、18日の2日間、第3回目のフォーラムを佐賀で開催、九州内の地域SNS等で主催させていただくことになりました。詳細はこちら

2004年にSNSを知り、2005年、SNSにどっぷりとハマって、2006年には自社でサービスをスタート。約2年が経つこの時期に、全国フォーラムを地元でできることを、素直に喜んでいます。色々な意味で、苦労も多いですが・・・(笑)

ただ、ここ数年で、SNS周り、いやもっと大きな目線で言うとウェブ2.0の潮流の中で生まれ注目されたサービスの中には、マネタイズの機会を伺いながら廃れていったサービスも多々ありました。素晴らしいコンセプトのサービスなのに、運営側の思惑が空回りして上手くいかないケースも多かったように感じます。そして、これはSNSも例外ではありません。

今回のフォーラムでは、地域SNS万能論ではなく、あえて、今の「地域SNS」と呼ばれる括りに、アンチテーゼを投げかける試みが必要なのかもしれません。その上で、新たな地域メディアに育てるために何が必要なのかといったヒントが探り出せれば、と思います。

最近、色々なウェブサービスを見ていて、「そこに人の営み、生業」といった観点があるか、どんな人がどういうシチュエーションで使って満足や幸せを感じられるか、ということが気になります。

このフォーラムを機に、地域SNSに関しても、少しそういった視点で振り返ってみたいと思います。

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