古きものが死に瀕している。でも誰も来るべきものを明確に見出せない。それがテサラック。

情報には向きがある

2010 年 3 月 3 日 – 1:37 AM | by saygo

最近、地域情報化関連のイベント等でお話をさせていただく際、必ず「情報には向きがある」という話をするようにしています。一言で言うと、情報を消費する市場とターゲットを考えて情報発信をデザインしましょう、ということです。一見、至極当然のことなのですが、案外このデザインができていなくて情報の効果的なリーチが図れていないケースが多いように感じます。この部分の検証は、地域メディアの展開を考える上では、重要な要素になるのではないでしょうか。

インターネットを介さない旧来型メディアの場合、ローカルニュースや生活情報といった地域情報は、地元で収集、編集され、地域内で消費されることが多かったのではないでしょうか。それを、ウェブ上にそのまま展開し、これまでのターゲットコンシューマに到達させるというモデルも確かに手段としてはあってもいいし否定もしません。ただ、ウェブ上のローカル情報を地域内の人が探しているかというと、決してそうではないはずです。実際に、地方新聞社のウェブサイトを訪れる人の半数近くは県外からのアクセスですし、閉鎖性の高いコミュニティサイトでさえ、かなり多くの県外からの参加者がいたりします。当然、リアルな地域活動をベースにした地域SNSなどは、この限りではないとは思いますが、オープンなコンテンツほどこの傾向は強いのではないかと思います。

であれば、そういった新たなユーザ層を十分意識した上で、情報を展開する必要があるのではないでしょうか。
例えば、私が住む佐賀市のニュースや生活情報を発信しようとした場合、佐賀市内に住む人向け、佐賀市出身の方向け、これから佐賀市に住む人向け、佐賀市に仕事や観光で来る人向けなどで、消費される情報は全く違います。また、そのシチュエーションによって情報受信環境も違います。さらに、シチュエーション以外にも、ユーザのデモグラフィックによっても状況が変わってくるでしょう。この辺りの整理を上手くやった上で、情報発信をデザインする必要性を切に感じています。

そして、これは何も紙媒体とかデジタルメディアとかの手段や既存の枠組みで分けて考えるものでもなく、情報受信者(ユーザ)を起点として、リビルドしていくべきものなのではないかと思います。ただ前述の通り、まだ地域の情報は、デバイスやメディアの進化に伴った上手い整理ができていません。これを誰が担っていくのか、それが、これから地域メディア(広義でのメディアです)に求められるポイントなのではないでしょうか。

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地域SNSビジネス

2010 年 2 月 26 日 – 1:07 AM | by saygo

ひとつ前のエントリでも書きましたが、2月20日(土)、西千葉で開かれた「地域SNS全国フォーラムin千葉」に参加してきました。

分科会で私が与えられたテーマは「地域における新しいツールとビジネスの関係」。冒頭のプレゼンで、手嶋屋の手嶋さんが「SNSやるならちゃんと儲からなきゃ」という問題提起をされ、寄付やECなどいくつかの具体的方法を提案されました。それに続いて私は、SNSというかソーシャルメディアの特性を使ったクロスメディアプロモーションの事例をいくつか紹介し、プランニングのキモは、、、というような話をさせていただきました。

こういった類いのパネルや、講演をお引き受けすると、必ず出る質問に「で、SNSって儲かりまっか?」というのがあります。実際、地域SNSというカテゴリに分類される多くのサービスが、行政からの助成金で成り立っていたり、別のビジネスがあった上で、その付加価値を高めるために運用されていたりするので、単体で成り立つのは至難の業なのだと思います。実際、広告ベースで頑張っていらっしゃるところも稀にあるみたいですが。

そもそも、地域でSNSが展開される場合、「コミュニケーションの活性化」というのを大命題として掲げられることが多いようです。コミュニケーションを活性化し、これまでに出会う機会のなかった人たちがつながることで、街が元気になるんだという主旨で、しばしば「協働」などといったキーワードとともに語られます。

ただ、度々寄せられる「儲かりまっか?」の質問には、それが市場、マーケットの活性化につながりますか?という意味が込められているのだと思います。ただ、それがまだまだ未開のフィールドだからこそ、地域においては、SNSをはじめとするソーシャルメディア単体でのビジネスが成り立っていないのでしょう。これには、2つの原因が絡んでいるように思います。

1つは、まだウェブ上での文字を中心としたコミュニケーションスタイルが浸透していないこと。最近は、Twitterブームなどもあり、この手のツールが爆発的に普及している印象がありますが、実はまだ「キャズムを越える」までには至っていないのではないかと思います(データを持っているわけではないので、あくまで私周辺を見渡した感覚的なものです)。当然母集団をどこに見るかによって変わるとは思いますが、、、いずれにせよ、コミュニケーション手段としては、携帯電話ほど普及しているような状況ではなく市場の規模も小さいので、まだビジネスモデルを描くことが厳しいのかもしれません。

2つ目は、地方における広告ビジネスやプロモーションの手法が、まだ旧来型モデルが中心だと言うことです。要は、そういったメディアや広告の業界が、ツールの進化に十分についていけずにいるということです。それでビジネスとして成り立っているから進化の必要もないのかもしれませんし、新たな市場を拓くリスクも負わないのかもしれません。また市場が小さく、新興勢力が次々に生まれ育つような土壌がないということも、新たな市場開拓の鈍化につながっているのかもしれません。

こんな中で、ソーシャルメディアを使ってメディアビジネスを成り立たせていくにはどうすればいいのでしょう。

まずは、中長期的な視点から、メディアとしてのグランドデザインを描く必要があります。確かにSNSは地域活性化の可能性を秘めた道具ですが、導入することが目的化してしまうと本末転倒になります。導入後、どういった場面で、誰をコアに利活用促進していくのか。その「場」で生まれたコミュニケーションから、どういった情報価値を生み出し、どういったアウトプットをしていくのか。その「場」の機能と媒体特性をいかし、足りないものを他で補いながら、どう市場活性化につなげていくのか(儲かるか)。当たり前のことばかりなのですが、メディアビジネスでは、そういったことを描きながら、ある意味大いなる妄想を広げておく必要があると思うのです。

SNSは、地域メディアと相性がいい道具であるという考えは以前と変わりませんが、その周りにある既存のメディア、既存の情報、あるいは既存のリアルなコミュニティとどう組み合わせるかを描くことが、ビジネスとしてのポテンシャルも最大化するポイントなのだと、フォーラム参加を機に改めて考えた次第です。

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地域SNS全国フォーラムin千葉

2010 年 2 月 20 日 – 12:20 AM | by saygo

今日(2月20日)、千葉大学けやき会館で開かれる、地域SNSフォーラムin千葉に参加させていただきます。
私の担当は、分科会のパネルセッションで、テーマは「地域における新しいツールとビジネスの関係」。あまり胸を張ってお話できるようなネタもないのですが、事例をいくつか紹介しながら、これからのローカルメディアビジネスについて語ってみようかと思います。

分科会2−2(15:05〜16:35)
・地域における新しいツールとビジネスの関係 ―Twitter、動画中継などをどう使うか
手嶋守(手嶋屋 代表取締役)
牛島清豪(佐賀新聞社 デジタル戦略チーム)
細谷拓真(Yokotter 代表)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

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