古きものが死に瀕している。でも誰も来るべきものを明確に見出せない。それがテサラック。

次世代マーケティングプラットフォーム

2008 年 11 月 12 日 – 7:24 PM | by saygo

2008年4月、「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」の著者、湯川鶴章さんのブログに次のようなエントリがアップされました。

米国取材の結果、本の内容を根本的に変更することに決めた。ということで200ページほどの原稿がすべて無駄になった。

この後、ブログではボツ原稿が全てアップされています。これはこれですごいボリュームで読みごたえがあるのですが、それをボツにしてまで書かれたのがこの本、ということからも分かるように渾身の一冊だと思います。著者は、「ネットは新聞を殺すのか」からここまで、メディア変容といってしまうと月並みなのですが、情報が生産され消費されていくスタイルの変化の半歩先みたいなものを、常に論じてこられました。そういった流れを思い起こすと、一種の結論めいたモノに到達されている感じさえします。

ところで、このブログで2005年4月に「広告が広告でなくなるとき」というエントリを書きました。この頃、ちょうど私は、インターネットとマーケティングに出会い、咀嚼しながらその親和性の高さを痛切に感じ、同時にマスメディア広告の限界を感じ始めたころで、「広告は受け手の情報欲求の具合によって、スパムにも不可欠な情報にもなりうるよなぁ」というようなことを考えていました。このおぼろげに感じ続けてきたこと、既存の広告にボディブローのように襲いかかる変化のイメージが、この本を読んだことで、明らかに確信へと変わりました。

この本の主題は、「広告がクリエイティブからテクノロジーへと本質を変えていく、これまで広告と呼ばれていた活動の重要なファクターが重心移動する」というようなことだと思います。その中で、エンドユーザーとのコンタクトポイントを最適化する手法に変化が訪れる、というか既に変わり始めているということが書かれています。このことが、SaaS型のeCRMを提供するsalesforce.comだとか、デジタルサイネージに代表されるような新しい広告デバイスを通して象徴的に語られています。

また、全編を通して一つの重要なキーワードが繰り返し使われています。サザエさんに出てくる「三河屋さん」がそれです。これが、テクノロジー×マーケティングの代表格ともいえるsalesforce.comと融合することで何が起こるか、というようなところがキモなのでしょう。三河屋のサブちゃんは、磯野家の御用聞き営業みたいなもので、無意識のうちにデータマイニング、テキストマイニングを行っているわけです。これはいわゆる経験則みたいなものかもしれませんが、このリアルなコンタクトポイントがあって、そこにテクノロジーをベースにした情報や設備のシェアが加わり「次世代マーケティングプラットフォーム」が形成されていくのでしょう。

ただ、この内容を快く思わない方々も、たくさんいらっしゃるはずです。恐らく、これまでの広告の概念を全否定するもの、今なお主流であるクリエイティブ重視のプロモーションスタイルを否定するもの、と捉えられてしまうのではないでしょうか。実際にそういった批判的な意見にも、多々遭遇しましたが、この現象は、あくまで重心移動であってゼロサムの話ではないことを念頭に論議をすべきなのだと思います。とかく、既存の枠組みの中にいると、こういった新しいテクノロジー系の話には排他的になりがちです(経験上・・・)。しかしながら、この論議に答えを出すのは、媒体社でもクリエーターでもありません。商品やサービスを届けたい、知らせたいと思う供給者と、その商品やサービスを消費するエンドユーザーのレスポンスこそが、その価値を決めることは必然です。

次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」は、単なる既存の広告ビジネスの論評や、マーケティングに関する最新テクノロジーのレポートではありません。その先に訪れる新しい広告スタイル、まさに「広告が広告でなくなるとき」の出現を予言した内容だと感じました。

湯川さん、ご献本いただきありがとうございました。

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ビジネスSNS「CU」

2008 年 11 月 6 日 – 1:52 AM | by saygo

YAHOO!JAPANが、11月4日にリリースしたビジネスSNS「CU」ですが、巷でというか、その筋の方々の間で随分話題になっているようです。私も4日深夜に登録(ID744)してみたのですが、24時間経った先ほど確認してみると既に2000人を超えており、1日約1300人が登録されたことになります。

CUですが、SNSのベースエンジンとしては、OpenPNEを採用されているようです。バージョンは最新の2.12あたりでしょうか。ただ、機能は、少なすぎると言っていいほど、最小限に絞られています。そのぶん、デザインはすっきりとしています。所々には、OpenPNEのデフォルトで採用されている素材なんかも残っているし、荒削りなぶん妄想を膨らませてくれるといったところでしょうか。「ここが○○になって、××の開発が進み、△△あたりのスタンダードになっていくと、面白いかも・・・」などと、つい、悪巧みが頭の中を駆け巡る、ワクワク感があります。

ただ、現時点の機能だけを見ると、いただけないところも多いのが現状だと思います。既に登録を済ませた複数の方が「何をしていいのか分からない」と、あちこちで発言されているように、ログインしたマイページに、新着の日記やコミュニティのトピックが掲載されているわけではないので、次のアクションに移りづらい気はします。もともと、SNSのメディア特性としては、マイページにおける情報のパーソナライズと、コミュニティにおける情報のソーシャライズがあると思うのですが、この辺りをどうビジネスSNSとして生かしていくのか、という明確な意図は、今のところ見当たらないのではないでしょうか。

ところで、ビジネス系SNSといえば、古くはトモモトから、最近だとLinkedInあたりまで色々と登録してきました。SNSヲタとしての興味と、人脈づくりができればという淡い期待を込めて登録を繰り返した、といったところでしょうか。

トモモトは、asahi.comのフィードを表示させるなど、ビジネス色の強いSNSでしたが、06年3月に閉鎖され、会員は「キャらリア」に統合されました。キャらリアは、適正診断やビジネススキルアップ等のコンテンツも豊富で、特色あるSNSだったのですが、今年2月には閉鎖されました。ドイツから(だったかな?)入ってきたXing(旧 OpenBC)、ウェブ名刺機能などを備えたキャリコネ、最近ではwizliやニフティのビジネススペースも、同じジャンルということができるでしょう。

こういったところには、私も登録し、しばらく活動をしてみるものの、正直、mixiやgreeのほうがビジネスには役立っているのです。なぜ?というところを少し考えてみると、1.日本のビジネス慣習みたいなものと合わないの?2.上手くコミュニケーションスタイルをデザインできていない?あたりが思いつきます。あとは、サイトとして、コンテンツを詰め込みすぎてもNGだし、簡略化しすぎても物足りないというところもあるかもしれません。この辺りが、ビジネス系SNSのキモなのではないでしょうか。

という感じで、しばらくはヲチしたい「CU」ですが、気になるところとしては・・・、
そういえば、Yahoo!DAYSってありましたよね、、、というところがまず1点。友人のタグ付け機能や、バックボーンにあるYahoo!IDの母数などを考えると、もっと頑張って欲しかったのに、現状ではスパムメッセージだらけになっているのを見ると寂しい気がします。

もう1点は、しつこいようだけどOpenPNEを採用した点。ここは、しばらく妄想を膨らませてみることにします(笑)

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ホルモンナイトに参戦!

2008 年 10 月 31 日 – 1:32 AM | by saygo

グルメブロガーに転向します!・・・・・・という訳ではないのですが、28日、おねだりボーイズ企画炭火焼ホルモン「ぐぅ」ホルモンナイトに参戦してまいりました。東京へは、たまたまその日出張で行くことになっていて・・・、決してホルモンナイトに合わせて出張を組んだわけではありませんので、あしからず(笑)

地方では、この手のブロガーイベントが少ないので、かなり楽しみにしていました。ブロガーイベントの雰囲気、最近よく見かけるブロガー参加型口コミマーケティングの現場を体感、いつもオンラインでお世話になっている著名ブロガーさんたちとの顔合わせなどなど。といいながらもやっぱり「ぐぅ」の焼肉、2000円で食べ放題&飲み放題が一番の魅力だったり。

ということで、まずはおねだりボーイズの皆さんのご挨拶などがあり、いよいよ食べるモードに突入です。
まず最初に出てきたのが浅漬けキムチ。これだけで、生1杯は軽くいけます。次に出てきたのがレバ刺し。切り口のシャープさからも新鮮さが分かります。そしていよいよ「極ハラミ」。これがまた美味い。このハラミひと切れで2杯目。また銀色に輝く七輪と、特注のダクトがかなりおしゃれかつ快適な焼肉タイムを演出してくれます。

この後は、ハツ、大動脈の部分コリコリ、ホルモン、マルチョウと続きます。添えられているネギを乗せて食べてもまた格別です。

と、どこからともなくマッコリが出てきて、味見といいながら1杯2杯と・・・。最後には、肉おかわりまでさせていただいた上で、冷麺でしめ。本当に大満足でした。

ごちそうさまでした。

ところで、この手のブロガーイベントって初めて参加したのですが、皆さんの元気っぷりに圧倒されっぱなしでした。まず席に着くと、牛の被り物をした方が・・・。「う、うしですか。私は牛島と申しまして・・・」と牛肉を前に会話。「来年の干支なので牛になろうという・・・」う~んよく分からないけど楽しい、とか思っていると今度は、数人が牛の着ぐるみで登場。う~んよく分からないけど、楽しい。

そんな感じのホルモンナイトでした(笑)

それと、11月1日(はなれ・2号店オープン)から12月23日までは、お店のスタッフに「ONEDARIバナー(この下のやつ)を見ました」と言うと、秘密メニューを一品サービスしていただけるそうです。

ぐぅ
電話:03-5255-3729(ミナニク)
住所:東京都中央区八重洲1-7-3

ぐぅ はなれ
電話:03-3516-3729(ミナニク)
住所:東京都中央区八重洲1-7-5 太田紙興八重洲ビル6F

で、最後に。
今回の企画の様子は、早速いろいろなブログでレポートされています。どこを見てもすごい力が入っているし、口コミを生み出す原動力になりそうなものばかりです。口コミマーケティングは、そのプロセスが不透明だったり、手法を間違えると逆効果になることもあります。ただ今回のような企画だと、お店も、イベント参加者も、その情報に接する人もデメリットがないわけで、色々な可能性が広がるということを実感しました。

最近の自分のテーマでもある、リアルなローカル情報をウェブ上にどう展開するか、というところとも、やり方によってはかなり相性がいいかもしれません。


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地域SNS全国フォーラムin佐賀を終えて

2008 年 10 月 26 日 – 11:15 PM | by saygo

もっと早く、このエントリーをあげるべきだったけど、1週間、間があいてしまいました。
もうお気づきかと思いますが、実はこのブログのエンジン「wordpress」の調子が思わしくなくて、丸ごとwordpressを入れ替えるという作業を行っていました。投稿が保存の段階でとんでしまったり、タグクラウドの日本語タグが効かなかったり・・・。何とか、のせ変えては見たものの、記事IDが全て変ってしまうという事態に見舞われ、リンクの多い主なエントリだけリダイレクトを書いて急場をしのごうかなどと悩んでいるところです。

という長い言い訳は置いといて、
10月17日、18日、この一つ前のエントリでも紹介した、第3回地域SNS全国フォーラムin佐賀が、無事終了しました。今回私は、完全に裏方で、自分で設定したパネルセッションを、どれもまともに聞くことができませんでしたので、記録VTRでぼちぼち復習をしているといったところです。

それにしても、手前味噌にはなってしまうのですが、「地域SNS」というキーワードで括られる一種のムーブメントに、アンチテーゼを投げかけるという意味では、有意義なフォーラムになったのではないかと感じています。特にメーンセッションでは、ウェブサービスに精通してはいるけど、地域SNSとは必ずしも近い位置にいない3人が地域SNSを俯瞰的に見ること、を主題として掲げており、これをパネラーが見事に果たしてくれました。何事もそうですが、スタート地点の問題提起は重要なポイントなので、このメーンセッションの中身が、2日間にいい影響を与えてくれたと思います。

本当は、ここでレポートしたいところだけど、まだ復習途中なので、皆さんのレポートをご参照いただければと思います。

最後に、今回の私なりの成果を一つ記しておきます。
それは、地域メディア(既存メディアという意味ではなく、情報の媒介としての広義での・・・)の再編が起こっていることを、改めて実感したことです。フォーラムに全国各地から集まった皆さんは、自治体、NPO、企業、個人、学生、研究者、そして新聞社やテレビ局の人たち。「地域SNS」をトリガーに佐賀に集まり、そこで、人と人のコミュニケーション、人と情報のつながりについて論議しているわけです。

ここに、ユーザーに起点を置いた、新たな「地域メディア」の胎動を感じずにはいられません。それがSNSでなければならない理由は、正直、私にはまだ見出せていないのですが、「コミュニケーション」をベースにしたメディアが、地方で求められ始めていることは確信できました。また、それが、これまでメディアと呼ばれていた団体、企業とは全く別の枠組みから生まれ、育ち始めているということも特記しておくべきかもしれません。

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地域SNS全国フォーラムin佐賀

2008 年 9 月 30 日 – 12:16 AM | by saygo

今年の2月、横浜で開かれた第2回フォーラムには、私も参加させていただき、簡単なレポートを書きました。そして、縁あって10月17日、18日の2日間、第3回目のフォーラムを佐賀で開催、九州内の地域SNS等で主催させていただくことになりました。詳細はこちら

2004年にSNSを知り、2005年、SNSにどっぷりとハマって、2006年には自社でサービスをスタート。約2年が経つこの時期に、全国フォーラムを地元でできることを、素直に喜んでいます。色々な意味で、苦労も多いですが・・・(笑)

ただ、ここ数年で、SNS周り、いやもっと大きな目線で言うとウェブ2.0の潮流の中で生まれ注目されたサービスの中には、マネタイズの機会を伺いながら廃れていったサービスも多々ありました。素晴らしいコンセプトのサービスなのに、運営側の思惑が空回りして上手くいかないケースも多かったように感じます。そして、これはSNSも例外ではありません。

今回のフォーラムでは、地域SNS万能論ではなく、あえて、今の「地域SNS」と呼ばれる括りに、アンチテーゼを投げかける試みが必要なのかもしれません。その上で、新たな地域メディアに育てるために何が必要なのかといったヒントが探り出せれば、と思います。

最近、色々なウェブサービスを見ていて、「そこに人の営み、生業」といった観点があるか、どんな人がどういうシチュエーションで使って満足や幸せを感じられるか、ということが気になります。

このフォーラムを機に、地域SNSに関しても、少しそういった視点で振り返ってみたいと思います。

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